続・危険なアイツと同居生活
久美ちゃんはにこやかに笑いながら蒼に話しかける。
「蒼君、本当に全然変わってないね」
「そう……かな?」
もう……
蒼もそうやって鼻の下伸ばしてしまって。
だけど平静に、平静にと自分に言い聞かせる。
蒼は久美ちゃんのことをもう好きじゃないと言っていた。
だから……
「何だか文化祭思い出すね。
蒼君と一緒に回ってさ、すごく楽しかった。
あの時みたいに、ライブだって行くから。
蒼君と、慎吾君、賢一君と遠藤先輩……」
グサッ……
あたしの指に激痛が走る。
何やってんの、あたし。
こんな時に!
客もいるし、怪我なんてしてられないのに。
だけど……
まな板がみるみる血で染まっていて、それを見ると怖くなって。
あたしは地面に座り込んでいた。
「唯ちゃん!?」
蒼の驚いた声が聞こえた。