続・危険なアイツと同居生活
蒼は大きくため息をつく。
そして、不貞腐れたように呟いた。
「出りゃいいんでしょ、学祭に」
あたしの胸の痛みがすーっと引いた。
きっと、これは優弥さんの企みに違いない。
優弥さんは蒼が学祭を選ぶことなんてお見通しだったのだ。
だから、学祭に出たくない蒼をわざとはめたのだ。
「どうしてそんなに学祭が嫌なの?」
そう聞くと、
「知り合いいっぱいいるじゃん」
蒼はぶつぶつと呟いた。
「みんながいるところでアレやると、マジで笑い者だよ」
確かにそうだ。
笑い者まではいかないにしても。
大学で明るい蒼は人気者で友達も多くて。
そんな友達の前で碧になるのは、蒼の言う羞恥プレイに違いない。
何だか気の毒だけど、あたしは嬉しい。
また碧に会えるから。
碧の唄を聴けるから。
学祭、すごく楽しみだよ。