続・危険なアイツと同居生活
「蒼、気にしてもらえてよかったな。
俺らも相手してやりてぇけど、こっちも自分のことで精一杯だから、基本放置」
「ひどっ!!
でもいいもん!
また唯ちゃん連れてくから」
思わぬ蒼の発言に、あたしは固まっていた。
舞台袖での蒼の体温、香り、息づかいを思い出して身体がぼっと熱くなる。
あの余裕のない蒼の表情。
守ってあげたいなんて思った。
だけど……
「舞台袖じゃ、隠れて見れない時もあったよ」
あたしを狂わすその表情、
ギターを撫でるその指先。
やっぱり、正面から見るのが一番。
それにね、やっぱり邪魔じゃん。
いつも舞台袖にいたりしたら。
「別に見なくていーじゃん」
そう言って、蒼はがっさりと牛肉を取る。
「あっ!てめぇ食べ過ぎ!!
太ると優弥に怒られるぞ!?」
「賢一じゃないんだし大丈夫だって!」
蒼はそう言って、がつがつと牛肉を掻き込んでいた。