続・危険なアイツと同居生活
「蒼はプロだし正しい発声法も知ってるんだから……」
だから、わざとあんなマネしなくても……。
だけど蒼はスッキリした顔であたしを見た。
「ストレス解消になるよ」
そっか。
いつも飄々としている蒼だけど、蒼なりにストレスもあるんだろう。
そりゃ、そうだよね。
だってFの碧なんだもん。
「また明日から、普通の毎日だね」
少し残念そうに言う蒼。
やっぱり、蒼も感じていたんだ。
学祭が終わって何だか寂しいこの気分を。
でも、学祭が終わって全てが終わったわけじゃない。
あたしたちみんなは友達だし、蒼はあたしの大切な人。
遠いようで、すごく近い大好きな人。
「唯ちゃん、ずっと俺のそばにいてね」
当然だよ。
あたしは、あなたから離れない。
あなたは、あたしの大切なヒーロー。