続・危険なアイツと同居生活
あたしは神様でも見ているような思いだった。
こんなに美しい人が実際にいるなんて。
だけど蒼は……
「なにか用ですか?」
素っ気なく、低い声で聞く。
その声はいつものほんわり蒼のものではなく、碧のもの。
いくら週刊誌でバラされているとはいえ、芸能人には碧として接しなければいけない。
……蒼は松原多恵と、プライベートまで親しくする気がないようだ。
ホッとする反面、少し残念だった。
会えるのは、今日が最後に違いないから。
だからあたしは言っていた。
「ドラマ見ています。
サインください」
と。