続・危険なアイツと同居生活





あたしは神様でも見ているような思いだった。

こんなに美しい人が実際にいるなんて。




だけど蒼は……




「なにか用ですか?」




素っ気なく、低い声で聞く。

その声はいつものほんわり蒼のものではなく、碧のもの。

いくら週刊誌でバラされているとはいえ、芸能人には碧として接しなければいけない。

……蒼は松原多恵と、プライベートまで親しくする気がないようだ。




ホッとする反面、少し残念だった。

会えるのは、今日が最後に違いないから。

だからあたしは言っていた。




「ドラマ見ています。

サインください」




と。




< 234 / 781 >

この作品をシェア

pagetop