続・危険なアイツと同居生活






「!?」




蒼が何か言いたそうに、すごい顔であたしを見ていた。

松原多恵はあたしを見て、楽しそうに笑う。

その笑顔はテレビで見る百倍綺麗で可愛くて。

思わず見とれてしまう。




あぁ、芸能人って世界が違う。

同じ人間と思えないほどだ。

あたしが惨めになるよ。






松原多恵は、笑顔でサインをくれた。

あたしが持っていたルーズリーフに。

そして、再び口を開いた。




「酙さんに本を借りていたので……」




松原多恵は少しおどおどしながら蒼に言う。

蒼は軽く頷いてあたしの手を引いた。



< 235 / 781 >

この作品をシェア

pagetop