続・危険なアイツと同居生活
「慎吾!!」
スタジオの扉を開けた瞬間、蒼が叫ぶ。
その顔は、碧からいつもの蒼へと変化していた。
にこにこ……いや、にやにや笑いを全面に浮かべ、ベースを抱えながら漫画を読んでいる慎吾を見た。
「ロマンスだよぉ」
口を尖らせてわざとらしく言う蒼。
「ロマンスって、お前のことか」
優弥さんが鼻で笑う。
「俺じゃない。
松原多恵が、酙さんを呼んでるよぉ」
「松原多恵!?」
賢一の顔が輝く。
「マジかよ!?」
慎吾に詰め寄る賢一。
当の慎吾は……
頬を少し赤らめて、そっぽを向く。
それで分かってしまったんだ。
慎吾、松原多恵が好きなんだと。