続・危険なアイツと同居生活








「慎吾!!」




スタジオの扉を開けた瞬間、蒼が叫ぶ。

その顔は、碧からいつもの蒼へと変化していた。

にこにこ……いや、にやにや笑いを全面に浮かべ、ベースを抱えながら漫画を読んでいる慎吾を見た。





「ロマンスだよぉ」




口を尖らせてわざとらしく言う蒼。




「ロマンスって、お前のことか」




優弥さんが鼻で笑う。




「俺じゃない。

松原多恵が、酙さんを呼んでるよぉ」



「松原多恵!?」




賢一の顔が輝く。




「マジかよ!?」




慎吾に詰め寄る賢一。





当の慎吾は……

頬を少し赤らめて、そっぽを向く。

それで分かってしまったんだ。

慎吾、松原多恵が好きなんだと。




< 236 / 781 >

この作品をシェア

pagetop