続・危険なアイツと同居生活
それでも慎吾は浮かない顔をして下を向いたまま。
どう見ても両思いなのに、慎吾は何を躊躇っているのだろう。
「慎吾。
Fのことを気にするなら、さっさと告れ」
優弥さんはそう言って慎吾に近付く。
「俺は相手が人気女優でも規制しねぇよ」
「違うんだ……」
慎吾は弱々しく呟いた。
さっきまでの無表情の酙とは大違い。
目の前の慎吾は繊細で、折れてしまいそうで。
「お前、知ってるだろ?
蒼が散々しでかしてること」
優弥さんは鼻で笑った。
「ひどっ!
俺は何も悪いことしてないですよーだ!!」
子供のように拗ねて頬を膨らます蒼に、
「ガキは黙ってろ」
いつもの毒舌を吐く優弥さん。
そんな優弥さんに向かって蒼は白目を剥いて舌を出した。
そのかっこいい顔が一瞬で醜く歪んだ。