続・危険なアイツと同居生活
照明を控えた店内には、三組のカップルと、数人一人の客がいた。
勉強をしていたり、ぼんやりと外を眺めていたり。
カップルは、当店お勧めのケーキを二人でつついていた。
「唯ちゃん、彼氏とはどう?」
バイトの先輩、坂田さんがあたしに聞く。
「はい……上手くいっています」
坂田さんは、もちろんあたしの彼氏が碧だなんてことは知らない。
あたしは当たり障りのない返事を返していた。
「坂田さんはどうですか?」
その答えを待ってましたとばかりに声を張り上げる坂田さん。
「別れたのよ。浮気されて」
そんな坂田さんに、
「ごめんなさい」
あたしは謝っていた。