続・危険なアイツと同居生活
ー慎吾sideー
大学には何も求めていない。
ただ、卒業して資格を取るだけ。
この世界に入った時、プライベートは捨てたんだ。
授業が終わり、俺は教科書を閉じた。
今日の授業も難しかった。
だけど、勉強しがいのある内容だ。
ベースの練習もしないといけないが、勉強もしないといけない。
世間一般が思っているほど俺は暇ではない。
「酙、バスケ部だったよな?」
クラスの友達が俺に聞く。
いや、友達と呼べるのだろうか。
だって俺のこと、酙と呼ぶから。
彼は申し訳なさそうな顔をして、俺に聞く。
「今日暇……じゃないよな?
俺たち今日バスケサークルで試合するんだけど。
あとひとチーム作りたいのに人が集まらなくて」
「悪い。このあとスタジオに行かないと」
俺はそう断り、彼に背を向けた。