続・危険なアイツと同居生活
蒼の話に笑う人々。
蒼とは初対面なのに。
しかも、蒼はFの碧なのに。
なのに何だよ、この馴染み方は。
だけど、はっと気付いた。
俺は、自ら壁を高くして、孤独になっていたことに。
Fになったから、孤独になった訳じゃない。
俺が勝手に孤独になったんだ。
本当はね、蒼みたいになりたかった。
芸能人だからって気取ることはしたくない。
クラスのみんなとも仲良くなりたいよ。
「蒼も昔から卑怯じゃん」
思わず俺は口を開いていた。
「ポケモンしてた時、俺にミュウくれるって言って。
送られてきたの、ミュウって名前のコイキングだったよ!!」
「マジかよ、半端ねぇー」
顔をくしゃくしゃにして笑うクラスの人たち。
俺も同じように顔をくしゃくしゃにして笑っていた。
蒼、いつもこうやって助けてくれたね。
俺が道に迷ったとき。
Fをするか進学するか迷った時も、蒼が教えてくれた。
両方すればいいって。
俺は……
蒼が友達で本当に良かったよ。