続・危険なアイツと同居生活
体育館には、溢れんばかりの人が押しかけていた。
みんな、生の碧を見るために。
Fの顔でもある碧。
MVやテレビにも一番映るし、何といってもかっこいい。
今さらながらに碧の人気に驚いてしまう。
それでも、蒼は蒼らしく振る舞う。
カッコつけたりせず、自然体で。
「蒼。お前、マジでバカなんだな」
すっかり仲良くなったクラスメイトが蒼に聞くと、
「うん。ウケるでしょ」
にこにこ笑う蒼。
「いろいろ難しいんだよ?
Fはみんなバカだから」
蒼はそう言って、昔のようにバスケットボールを投げる。
ボールは綺麗な円を描いてスパッとゴールに入った。
周りから歓声が沸き起こる。
蒼は笑顔で手を振って、その歓声に応えた。