続・危険なアイツと同居生活






激しいドラムが鳴り響く。

そして、まるでメロディのようなベースライン。

変則コードのギターに、暴走するリードギター。

酙はリズムに合わせて身体を揺らし、艶はドヤ顔で早弾きを披露する。

玄は正確で緻密なリズムを刻み……

碧の歌声が響く。




あたしの心を鷲掴みにし、頭の中を真っ白にし、身体をかき乱す。

痺れる歌声。

妖艶な息遣い。

そしてその指。

全てがあたしをおかしくさせ、Fの世界へと引きずりこむ。




あぁ、ずるいよ。

いつもはあんなに無邪気な子犬なのに、今は飢えた狼のよう。

荒々しくて、獰猛で、そして熱い。

どうしてあなたはこうもあたしを掴んで離さないの?




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