続・危険なアイツと同居生活
曲が終わったのにも気付かず、ぼーっと前を向くあたし。
やっぱりFはすごい。
あたしは、文字通り骨抜きだ。
あたしの隣で、陽介も固まっている。
ただ、その上がった息の音だけが聞こえた。
優弥さんが無言で歩き、ビデオカメラを止める。
そして振り向き……
「てめぇら……ふざけんな!!」
鬼の形相でメンバーを睨む優弥さん。
「す……すいません」
蒼はすっかり萎縮してしまって。
さっきの碧の影は全くない。
「真面目にやってたんだけど……」
慎吾も首を振って賢一を見る。
賢一も苦い顔をしていた。
「てめぇらの真面目がそれか。
全体的にたるんでやがる。
特に蒼!
クリスマスまでに完璧にするぞ!」