続・危険なアイツと同居生活





「お客さん。

この観葉植物は育てやすいですよ」




悩んでいるあたしたちに店員が言う。

その店員は、蒼を見て頬を染める。

きっと、碧だと分かって近付いたのだろう。




「そうなんだぁ」




蒼がいつもの調子であたしに言う。




「育てやすいなら、俺、ベランダで菜園作りたいなぁ。

そこでパイナップル作るんだ!」



「な……なんでパイナップル!?」




あたしは目を大きく見開いて蒼を見ていた。




蒼は時々本気か冗談か分からなくなる。

無邪気っていうか、おバカっていうか……。






「わっ。やっぱり碧は馬鹿だ」



「想像以上だよ、あれ」




遠くで別の客の声が聞こえた。

蒼はちらっとそっちを見て、




「いこ、唯ちゃん」




あたしの手を引く。




蒼に触れられるのが嬉しくて。

それだけで顔が赤くなってドキドキしてしまうあたし。

ずっとこうやって手をつないで笑っていたいよ。




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