続・危険なアイツと同居生活







ずっと街行く人を眺めて思っていた。

蒼と手をつないで、笑ってデートが出来たらいいなぁって。

街はすっかりクリスマスモードで、恋人たちの距離もいつも以上に近くて。

蒼は忙しいから、あたしには関係ない世界だ。

そう諦めていたけど。

だけど、思いもよらず蒼とデート出来るなんて。

すごくすごく嬉しい。







「唯ちゃん、クリスマスプレゼント、何がいい?」




あたしの手をぎゅっと握って、身体を寄せて、蒼が聞く。

そのカサカサの手を握りしめ、手から伝わる微かな熱に酔うあたし。





何でもいいよ、蒼が来れるなら。

ううん、蒼が側にいてくれたら。





それにね、




「あたしも蒼に何かあげないと。

何がいい?」




そう聞いた。




< 311 / 781 >

この作品をシェア

pagetop