続・危険なアイツと同居生活
「あれ、碧じゃね?」
「マジで?どうしたの?」
周りは騒然としていて。
これはまずい。
そう思ったあたしは、
「蒼!あたし大丈夫だから!!」
慌てて蒼の手を引く。
「行こっ!!」
人ごみを掻き分け、ひたすら走る。
こんな騒ぎに巻き込まれて、蒼が傷つくほうが辛い。
……いや、碧の評判が落ちるのが一番辛いよ。
「唯ちゃん?」
あたしに手を引かれながら、蒼は走った。
そして、走りながら心配そうにあたしの名を呼ぶ。
努めて元気を装い、蒼をふり返る。
そして、笑顔を作ってこう言った。
「あたし、大丈夫だから!
スカート汚れたから洗ってくるね。
蒼、ここで待ってて!!」
何か言いかける蒼に背を向け、あたしはトイレに駆け込んでいた。