続・危険なアイツと同居生活
ー唯sideー
あーあ……
スカート、シミが残っちゃったよ。
お気に入りのスカートだったのにな。
だけど、仕方がない。
これだけの被害で終わったことを喜ばなきゃ。
気を取り直して、鏡に向かって笑う。
うん、笑顔も大丈夫。
これから、楽しいデートの続きをしなきゃ。
トイレを後にし、蒼が待つベンチへ向かう。
だけど……
人ごみの向こう、茶色いベンチに腰掛ける蒼の隣には……黒髪の女性。
見たくもない。
だけど、目に焼き付いて離れない。
女性は蒼の手を握っていて。
「あたしと付き合って」
そう言った。
あたしの中で、何かががらがらと崩れ落ちた。
なんで……なんで手まで握ってるの?
普通しないよね、そんなこと。
蒼、彼女はもう関係ないと言ったよね。
それも嘘だったの!?
頭が真っ白になった。
この場から消えてしまいたいと思った。