続・危険なアイツと同居生活




ー唯sideー






あーあ……

スカート、シミが残っちゃったよ。

お気に入りのスカートだったのにな。

だけど、仕方がない。

これだけの被害で終わったことを喜ばなきゃ。




気を取り直して、鏡に向かって笑う。

うん、笑顔も大丈夫。

これから、楽しいデートの続きをしなきゃ。





トイレを後にし、蒼が待つベンチへ向かう。

だけど……

人ごみの向こう、茶色いベンチに腰掛ける蒼の隣には……黒髪の女性。

見たくもない。

だけど、目に焼き付いて離れない。

女性は蒼の手を握っていて。




「あたしと付き合って」




そう言った。

あたしの中で、何かががらがらと崩れ落ちた。






なんで……なんで手まで握ってるの?

普通しないよね、そんなこと。

蒼、彼女はもう関係ないと言ったよね。

それも嘘だったの!?






頭が真っ白になった。

この場から消えてしまいたいと思った。




< 321 / 781 >

この作品をシェア

pagetop