続・危険なアイツと同居生活






そんな中……





「ただいまぁ……」




玄関先で声がする。

時計を見ると、まだ九時半だ。

珍しいな、蒼がこんな時間に帰ってくるなんて。

なんだか嬉しいよ。

今日は二人でゆっくり出来るんだ。




そう思って、笑顔でリビングに入ってくる蒼を見たが……

その蒼の顔を見て、あたしは言葉を失った。







どんなに疲れていても、悲しい顔はしなかった蒼。

いつも前向きで、がむしゃらに頑張っていた。

だけど今日の蒼は……

保っていたものがポキッと折れてしまったような、空っぽの顔をしていた。



< 332 / 781 >

この作品をシェア

pagetop