続・危険なアイツと同居生活
そんな中……
「ただいまぁ……」
玄関先で声がする。
時計を見ると、まだ九時半だ。
珍しいな、蒼がこんな時間に帰ってくるなんて。
なんだか嬉しいよ。
今日は二人でゆっくり出来るんだ。
そう思って、笑顔でリビングに入ってくる蒼を見たが……
その蒼の顔を見て、あたしは言葉を失った。
どんなに疲れていても、悲しい顔はしなかった蒼。
いつも前向きで、がむしゃらに頑張っていた。
だけど今日の蒼は……
保っていたものがポキッと折れてしまったような、空っぽの顔をしていた。