続・危険なアイツと同居生活
散らかった蒼の部屋。
壁に立てかけてある、数本のギター。
床には譜面とピックが散乱している。
そして、脱ぎ捨てたような服が数着あった。
ただ、寝るだけのこの部屋。
そんな蒼の部屋の中で、あたしは蒼の話を聞いた。
「唯ちゃん、俺がこんなことを言ったら幻滅するよ?」
自虐的に笑う蒼。
その笑顔が悲痛な叫びにすら見える。
あたしは黙って蒼を見た。
幻滅する訳がない。
あたしは、弱い蒼も含めて全部が好き。
嬉しい時は一緒に喜ぶし、辛い時は一緒に悲しむよ。
そして、蒼を笑わせてあげたい。
あたしが出来ることは、ただ話を聞くだけだけど。
「もう……ついてけないんだ」
蒼は泣きそうな声でそう言った。