続・危険なアイツと同居生活
「唯ちゃ~ん!」
その声で目を覚ます。
ベッドの上で布団にうずくまるあたしの前には、すでにシャキッとした顔の蒼が立っていた。
黒いコートに茶色のマフラー。
シンプルなニットに、細身のパンツ。
髪はワックスでほどよく散らしてある。
すでに出かける準備万端だ。
「ん……蒼、おかえり」
あたしは寝ぼけ眼を擦って蒼に言う。
「そしてライブお疲れ様」
「おかえりじゃないよぉ!」
蒼はそう言ってあたしの前にしゃがみ込む。
その綺麗な顔と、少し艶っぽい瞳に眠気なんて吹っ飛んでしまった。
「早く行くよ」
蒼はそう言って、あたしの額に軽くキスをする。