続・危険なアイツと同居生活
昨日のライブの後、蒼はFのメンバーで打ち上げに行っていた。
珍しくあたしは亜美と食事をし、先に家に帰ったのだ。
だから蒼が帰ってきたことには気付かなかったし、こんな朝早くから出かけようとしていることも知らなかった。
疲れて爆睡だと思っていたのに。
「どこ行くの?」
そう聞くと、
「秘密」
蒼は笑顔で答える。
クールな碧とは違う、あたしの大好きな笑顔だ。
蒼に急かされるまま顔を洗い、歯を磨く。
蒼はペットのようにあたしの後ろをついてきて。
化粧をする時まで覗きこんでくる。
「恥ずかしいからやめて」
そういうと、
「いいじゃん。
唯ちゃんが可愛くなるの、見たいんだから」
なんて言う。
蒼はずるい。
いつもまっすぐで、甘くって。
そうやってあたしを狂わせる。