続・危険なアイツと同居生活
あたしたちが案内された場所。
それは、この旅館街を一望出来る大きな部屋だった。
清潔感漂う畳の部屋に、もう一部屋応接のような部屋もある。
そして、その奥には……
「わぁ……」
思わず声を上げてしまった。
だってそこには、大きな石で出来た露天風呂があったから。
「露天風呂は、天然温泉掛け流しです」
仲居さんがそう教えてくれた。
「女性の方には色浴衣も用意していますよ。
よろしければ、あとで旅館街の散策などもいかがですか」
「色々とありがとうございます」
蒼はそう言って、露天風呂の前に立っているあたしに近付く。
ふっといい香りがして、微かに手が触れた。
それだけで、あたしの身体はびくんと反応する。
変だな。
蒼にはいつも触れているのに。
なのに、何で今日はこんなに緊張するの?