続・危険なアイツと同居生活





あたしたちが案内された場所。

それは、この旅館街を一望出来る大きな部屋だった。

清潔感漂う畳の部屋に、もう一部屋応接のような部屋もある。

そして、その奥には……




「わぁ……」




思わず声を上げてしまった。



だってそこには、大きな石で出来た露天風呂があったから。





「露天風呂は、天然温泉掛け流しです」




仲居さんがそう教えてくれた。




「女性の方には色浴衣も用意していますよ。

よろしければ、あとで旅館街の散策などもいかがですか」



「色々とありがとうございます」




蒼はそう言って、露天風呂の前に立っているあたしに近付く。

ふっといい香りがして、微かに手が触れた。

それだけで、あたしの身体はびくんと反応する。




変だな。

蒼にはいつも触れているのに。

なのに、何で今日はこんなに緊張するの?




< 364 / 781 >

この作品をシェア

pagetop