続・危険なアイツと同居生活









「かんぱーい!!」




とある関東の田舎で。

とある居酒屋で。

弾けるような声が響いていた。





普段飲酒はしないあたし。

だけど、今日みたいな日もたまにはいいかな。

あたしの喉を、熱いビールが伝った。





「みんな、久しぶりだねぇ!」



「大学生オーラ満載!」





そう。

ただいまあたしは帰省中。

そして、高校のクラスの同窓会が開かれているのだ。





あたしの隣には亜美がいて。




「いーなー、その指輪」




目ざとくそれを見つける。

その瞬間、顔にぼっと火が上がった。




「ねー、触らせて触らせて!

碧と間接タッチ……」




必死であたしの手を取る亜美に、




「しいっ!」




あたしは口の前に人差し指をかざした。





恐らく、ここにいる亜美以外の人は、あたしの彼氏について知らない。

あたしの彼氏が碧だなんて言っても混乱を招くし、黙っておこうと思っていた。




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