続・危険なアイツと同居生活
「彼氏いるの?」
少し残念そうに顔を歪めるダイくん。
そんなダイくんに向かって、
「大好きなの」
わざとらしく言ってやる。
「そっか……」
ダイくんは小さく笑い、あたしの手を握る。
とっさの行動にどぎまぎするあたし。
早く振り払って逃げなきゃ!
それなのに、身体に力が入らない。
アルコールのせいに違いない。
「唯……」
耳元でダイくんが囁く。
「俺、唯のこと、好きだった」
嘘ばっかり。
「一夜の過ちなんて……どう?」
あぁ……
ダイくんなんかより、ずっと蒼がいいよ。
全然ドキドキしない。
触れても何とも思わない。
頭も痺れない。
……蒼じゃなきゃ、だめだ。
ふと、ダイくんを見る。
その顔は紅潮し、目は血走っている。
きっと相当酔っているのだろう。
酔っているダイくんの頭の中は、カオスになっているに違いない。