続・危険なアイツと同居生活
亜美は眉を寄せ、手を組んで彼を見た。
その顔が紅いのは、酒のせいだけではない。
「あぁ?」
ダイくんは顔を歪めて彼を見る。
そして幻でも見るかのようにさらに顔を歪めた。
ダイくんに抱きかかえられているあたしは、彼を見るとこは出来ない。
だけど、容易に想像出来る。
彼は口元を少し歪め、そして静かにこう言う。
「唯ちゃんを返して」
ダイくんは呆然とあたしを床に下ろした。
床に足がついた瞬間、力なくその場に倒れこむあたし。
「唯ちゃん……」
ただ震えるあたしを、蒼は優しく包んでくれた。
その身体に触れるだけで、その声を聞くだけで、あたしの鼓動は高鳴り始める。
好きだな、と実感する。
あたしは……
蒼だけのもの。