続・危険なアイツと同居生活
そんな時……
「唯ちゃん!」
後ろから名前を呼ばれ、ビクッと飛び上がる。
後ろを見ると、いつものキラキラ笑顔の蒼がいた。
おとなしめに少しだけセットした髪、落ち着いた黒いコートにベージュのパンツ。
どう見ても理想の彼氏像だ。
そして、手には手土産まで。
そんなに用意周到なのに……
だけど、今日は蒼の期待に応えることは出来ない。
「蒼、今日は無理かも……」
そう言ったあたしに、
「なんで?」
いつものように明るく聞く蒼。
「……てか、なんで優弥の車もあるの?」
「あのね、実は……」
あたしが口を開きかけた時……
「唯。いつまでも外で拗ねてないで、中に入りなさい」
玄関の扉が開いてお母さんが顔を出した。