続・危険なアイツと同居生活
「唯ちゃん、お待たせ~」
再び大技を決めて、あたしのほうへ降りてくる蒼。
帽子にゴーグル。
そして、フェイスマスクまで。
どう見ても碧とは分からない。
バレている様子も微塵もなく、
「にーちゃん、やるなぁ!」
声をかけるボーダーに手を振り、
「ありがとっ!」
そう叫ぶ。
きっと、蒼ではない。
だから……
「優弥じゃない?」
蒼はあたしの話を聞き、困ったようにそう言った。
「あの変なウェア。
たーくんと同じくらい目立つよ」
そうか。
毎度のことながら、優弥さんか。
あたしは深く納得したが……
「隆太と松原多恵らしいよ?」
遠くでボーダーたちが騒いでいた。
「隆太と、松原多恵!?」
蒼の声が曇っていた。