続・危険なアイツと同居生活
爆発するように沸き起こる悲鳴。
蒼はきょとんと人々を見た。
そして、雪の中に落ちているゴーグルとフェイスマスクを見て、顔を歪ませた。
まるで、美術館にある、叫びの絵のように。
「碧じゃない?
超カッコイイ!!」
「さっき360のグラブ決めてた奴だ!!」
「酙に碧……残りは玄と艶?」
辺りは騒然としていて。
紅さんは下を向いて震えている。
「と……とりあえず退散!!」
賢一は蒼のウェアを引っ張り、隆太と松原多恵が出てきたテントへと急ぐ。
そして蒼はあたしのウェアを掴み、
「ねーちゃん、またね!」
笑顔で紅さんに手を振る。
「……あのガキ……」
震える紅さんの隣で、たーくんは白目を剥いて泡を吐いていた。
そして優弥さんは慎吾を引っ張り、あたしたちを追う。
そんなあたしたちの耳には、人々の悲鳴と、
「お静かに!」
動揺するスタッフの声が鳴り響いていた。