続・危険なアイツと同居生活
その瞬間、プッと吹き出す隆太。
「なわけないですよ!
確かに松原さんは素敵ですが。
役ですよ、役」
「じゃあ、好きでもねぇ奴と、あんなキスが出来るのか?」
「えぇ、もちろん……。
てか、嫌だなぁ。
あなたたちも芸能人ですよね?」
その言葉に黙る一同。
そして……
「俺は無理だよ」
ぽつりと蒼が呟いた。
その言葉がすごく嬉しい。
あたしは、そんな蒼が大好きだ。
「優弥、蒼。もういいよ」
慎吾が弱々しい声を出した。
「彼の言う通り、役なんだ。
俺たちには分からないことなんだよ」
そんな慎吾の気持ち、痛いほどよく分かる。
蒼はそんなことしないけど……
でも、気にするよ。
蒼が女の子にモテていたり、身体に触れられたりしていると。
きっと、それの数十倍……いや、数百倍辛いんだろうな。
慎吾を元気付けてあげたい。
だけど、今のあたしは、そんな言葉持ち合わせていない。
このテントの中……本当に空気が悪いよ。