続・危険なアイツと同居生活






休憩が終わり、再び始まる撮影。

休憩が終わった瞬間、プロの顔になる四人。

さっきまであたしの横で笑っていた賢一は、もういない。

そして、太陽のような笑顔の蒼ももういない。

キリッと引き締まっていて、凛としていて、だけど少し温かくて優しい四人がそこにいた。





スタッフの指示に従うメンバー。

頷き、時には意見も言って。

そして真剣な目でモニターをチェックする。

スピーカーから流れる音源に合わせて演奏し、クールで強くて、そして爽やかなパフォーマンスを披露する。





何回も何回もそれを繰り返して……






「カット!」




スタジオがシーンとなる。

そして……




「お疲れ様でした」




その声に、




「お疲れ様です」




一斉に頭を下げる四人。

何だか今日のFは部活みたい。

そう思いながらも、撮影を終えてホッとするあたしがいた。

あたしは関係ないのに、何だかひどく疲れたよ。




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