続・危険なアイツと同居生活





スタッフたちに頭を下げ、スタジオを出ようとするF。




「遠藤さん、また後ほど」




そう言ったお父さんに、




「よろしくお願いします」




優弥さんは頭を下げて出て行った。

それに続いて慎吾と賢一も出て行って……




何だか心臓がおさまらない。

それでいいと思っていた。

平和が一番だと思っていた。




だけど……




心がもやもやする。

結局、蒼とお父さんは一言も会話を交わさずに終わってしまうのかな。

お父さんは、まだ蒼を認めないのかな。









蒼がゆっくりとお父さんに近付く。

それに気付いて、そっぽを向くお父さん。

胸がちくりと痛む。

だけど、蒼はお父さんをまっすぐに見つめ、そして頭を下げた。




「今日は、ありがとうございました」




ちっ、と舌打ちをするお父さん。

そして……

顔を歪めて蒼を見る。




「少しいいか?」




お父さんは低い声でそう言った。





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