続・危険なアイツと同居生活
「この人……」
聞きたくないのに、聞いてしまう。
少しの可能性を信じて、安心しようとしてしまう。
だって、この女性とあたしじゃ、月とスッポン。
蒼は一瞬口をつぐんだ。
そして、少し気まずい顔をする。
その顔で分かってしまう。
彼女はただの友達ではないと。
「綺麗な人じゃん」
努めて明るく言うが、語尾が震えていた。
あたしが感じているのは、
怒り?
寂しさ?
焦り?
嫉妬?
……いや
……敗北感。
「元カノ?」
思わず聞いてしまう愚かなあたし。
蒼は少し俯いてこう言った。
「唯ちゃんは気にしないで。
今は唯ちゃんしかいないから」