続・危険なアイツと同居生活
だが、
「Zepp?遊びのはずないだろ!」
北野さんの声ではっと我に帰った。
確かに、Zeppはライブハウスの中でもかなりの大規模だ。
普通では人は集まらないだろう。
だから、きっと優弥がどこかから情報を漏らしているのだ。
優弥、本気じゃないって言っていたのに。
どうしてそんなことをするの!?
「とりあえず、仕事が片付きませんので……」
そう言って図面を見る俺に、
「戸崎」
久しぶりに聞くその声が聞こえた。
顔を上げると、なんと前田課長が立っていて。
「はい!」
思わず体育会系の返事をしていた。
前田課長は俺を見て、少し顔を緩める。
そして、こう言った。
「戸崎。今月は無理するな」
「え?」
「お前がライブで失敗したら、俺が責任を感じる」
もう!
みんなライブライブってうるさいな。
俺はそういう特別扱いが嫌なんだ。
だから、Fのことだって自分から言わなかった。