続・危険なアイツと同居生活
「大丈夫です」
俺はまっすぐに前田課長を見て言う。
「趣味のために、仕事を犠牲にしたくありません。
いや……犠牲にしません」
俺の本業は、建築士だから。
Fは通過点だから。
「僕は決してミスをしません。
ですから、安心して仕事をさせてください」
前田課長は口を曲げて俺を見つめた。
どんな罵声が飛ぶかと思った。
第一、Fを副業とみなすことも出来る。
あれで結構稼げるのだから。
だけど……
「君はガッツがあるね」
前田課長は静かにそう言った。
「努力家で真面目な性格が、君をここまで這い上げたのかもしれないね」
そう言われると何だか嬉しい。
なおさら頑張ろうと思う。
仕事も、Fも。
どっちでも失敗はしない。
人の期待に応えられるよう、俺は頑張る。