続・危険なアイツと同居生活







そして……







「戸崎さん!!いい加減にしてください!」




ついにスタジオに、中山の怒りの声が響き渡った。




スタジオについた瞬間、睡魔に襲われて。

俺はスピーカーに寄りかかって眠っていたのだ。

俺の馬鹿!

何てことをしているんだ。





「中山。仕方ないよ。

戸崎さんは疲れているんだから」




後輩たちが中山をなだめる。

それでも中山の怒りは治まらなくて。




「楽しみにしてたのに……

戸崎さんが参加してくれるって言うから、本気で練習したのに……

どうせ遊びですよね、戸崎さんは。

そんな遊びなら、思わせぶりな態度取らないでください!!」



「中山!」




暴れる中山を、後輩たちが必死で押さえた。

俺はそんな中山を見つめていた。






確かに親睦会のことは二の次だった。

俺の頭の中は、仕事とFのライブでいっぱいだったから。

だからと言って、親睦会をサボってもいいの?

中山みたいに、真剣に頑張っている人もいるのに。

観客の多い少ないだけではない。

親睦会だって、立派なステージだ。

どんなステージだって本気。

それが俺じゃなかったの?




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