続・危険なアイツと同居生活
☆一つのステージ
「設計部の碧そっくりの人、やっぱり碧だったみたい」
「次の親睦会で、Fするらしいよ」
そんな噂は瞬く間に広まっていた。
そして、廊下ですれ違う度に興味の目で見られた。
「戸崎。君も大変だね」
前田課長は最近頻繁に俺の席に来る。
優弥の件が気になって仕方がないらしい。
スタジオの案もずいぶん固まってきた。
構造など分からない部分は、課長に助けてもらったりもした。
こんな上司に恵まれた俺はラッキーだ。
「大丈夫です。
そういうの、慣れていますから」
俺は課長に言う。
今の俺は会社員。
確かにもうすぐFのライブもあるけど、本業はサラリーマンだから。
Fのライブが終われば、俺のことなんて再び忘れ去られるだろう。