続・危険なアイツと同居生活
そんなことで迎えた親睦会。
場所は都内の某ホテル。
美味しい料理に酒にと手を伸ばす俺を止める男。
……そう、中山だ。
「戸崎さん!
酔っ払ったら演奏になりませんよ」
なんて言う。
ごめんごめんと謝り、仕方なくウーロン茶を手にする俺。
数週間前のあの出来事のせいで、俺の酒癖の悪さもすっかり有名になってしまった。
そして、大人としてもうあの失態はしてはいけないと思った。
そんな間も碧の噂は広まっていて。
俺は周りのテーブルからちらちらと視線を感じた。
去年までの親睦会は違った。
お互いに踏み込めないでいたから。
だから、俺はただのそっくりさんだった。
だけど、噂というものは怖い。
その事実を認めた瞬間に、一気に広まってしまうのだ。