続・危険なアイツと同居生活
呆然としていた俺に、
「碧、何か喋ってよ!」
マイクを向ける戸崎さん。
この無茶振り感が半端ない。
こんなMC、練習していなかった。
「は……はじめまして。
設計部の中山です」
固まりつつそう答えた俺に、
「碧、駄目ですね。
緊張マックス」
笑顔で笑う戸崎さん。
この人は……
さっきまであんなに緊張していたのに、今は全く緊張していないのだろうか。
笑いながらぺらぺらと話す。
「ま、僕たちの無駄話なんて聞きたくない人が大半だと思いまして……
早速いきますよ。
曲は、緊張マックスからの……
ファックス!」
『F uck』だろ!
突っ込みたい気持ちが満々だった。
だけど、そんな余裕なかった。
前からは黄色い歓声が湧き上がり、ドラムが激しい音を立てたから。