続・危険なアイツと同居生活
ふと、休憩所の前を通りかかる。
すると、中から後輩たちの賑やかな声が聞こえてきた。
いつものように通り過ぎようとしたのだが、俺の名前が呼ばれたような気がして。
あの時みたいに立ち聞きしてしまった。
「中山!
お前、戸崎さんを馬鹿にしすぎだろ!
戸崎さんが怒らないからって」
「……ですよね」
中山の少ししょげたような声もする。
「俺なら絶対キレる。
戸崎さんの優しさは、仙人級だぞ?」
「自分も……そう思います」
はは、中山もそんなこと思うのか。
何だか面白くなってしまう俺。
中山、いつも何かと俺に突っかかってきて。
こんな馬鹿男が碧だから、俺を恨んでいるに決まってると思っていた。
優弥やねーちゃんみたいに、俺を苦しめて快感を得る男だと思っていた。