続・危険なアイツと同居生活
「中山、大丈夫か?
顔色悪いぞ?」
先輩の言葉に、可愛げのないことを言う俺。
「心配してるんですよ。
戸崎さんがまた馬鹿なことをしないか」
「戸崎に限って、大丈夫だよ」
なんと、課長までそんなことを言う。
「ああ見えて、あいつは実は賢い。
今日は戸崎を封印する。
ステージに立つのは戸崎じゃない。
……碧だ」
「課長も好きですね」
そう言うと、
「当然だ。
僕が新人の時、Fの歌に助けられたから。
Fのライブが唯一の楽しみだった」
そう言う課長は、かなり昔のFのツアーTシャツを着ている。
予想以上に課長もファンのようだ。
そんな間にも、俺の心臓はバクバクと音を立てる。
Fのステージが楽しみで楽しみで仕方が無い。
はやくあの曲を聴きたい。
俺の魂を打ち震わせる、あの曲を。