続・危険なアイツと同居生活
「仕方ねぇから、ケーキ用意してやった」
「マジか。やべーな、玄」
そう言っている間にも、大きなケーキが運ばれてきて。
それを見て、碧が言う。
「お前ら、俺が甘党の馬鹿って話、信じてねぇだろうな!」
「信じてる~!!」
客席が騒いでいる。
俺も一緒になって叫んでいた。
「言っておくが、それは艶だからな」
「はぁ?俺かよ」
またもや無茶ぶり。
だけど、艶は平然としている。
「……俺じゃねぇよ」
「そんな艶も、二人の子持ち」
再び会場が沸き立つ。
ファンは悲鳴を上げて泣き叫び、そして久々の帰還に涙を流した。
あぁ……本当にすごい。
その演奏も、そのトークまで。
こうやって舞台を見れば、しみじみ思う。
俺は本当にFのファンだと。
胸が痛い。
顔が熱い。
心も身体も、Fに侵食されている。