続・危険なアイツと同居生活
月曜日……。
「おはようございます」
いつものように、戸崎さんは来た。
爽やかな笑顔とともに。
俺は真っ赤になって書類に目を向ける。
だけど、戸崎さんから意識を離すことが出来なかった。
胸がドキドキする。
すごく。
「戸崎。お疲れ」
そう言って戸崎さんのデスクに近付く北野さん。
「ありがとうございます。
……って何を言ってるのです?
まだまだ仕事はこれから。
今日は二件打ち合わせがありますから」
戸崎さんはそう言って図面を束ねる。
「遠藤の件も、今週中に何とかしないと……」
戸崎さんは真面目だ。
時々お馬鹿で間抜けだけど、仕事熱心。
俺はそんな戸崎さんに憧れている。
だけど今日の戸崎さん。
敢えて周りに何も話させないようにしているように見える。
会社では、Fのことはほとんど話さない戸崎さん。
オンとオフがはっきりしている戸崎さん。
俺は碧だけでなく、戸崎さん自身のファンなのかもしれない。