続・危険なアイツと同居生活





デスクに帰ると、みんなは昼休憩に入っていた。

そして、水筒のお茶を飲みながら、無造作に机の上に置かれていた新聞を手に取る。

そのスポーツ誌の一面には、大きくこう書かれていた。




『サラリーマン 碧、結婚していた!!』




そして、土曜日のライブの写真が大きく載っていた。






思わずお茶を吹き出しそうになる。

俺はいそいそと立ち上がり、新聞を元の場所へと片付けた。









多少反響はあると思っていた。

だけど、こんなに大きく載せられるなんて。

だけど、幸いなことに、写っているのはライブの映像と、俺の昔の顔写真。

どうやら顧客にバレることもなさそうだ。

……いや、知っていても知らないふりをしているのかもしれない。

先輩たちがそうしていたように。





あー、人間不信になるよ、まったく!

こんな新聞まで置かれて、新種のいじめ!?

何だかデスクで昼食を取る気にもならず、使われていない会議室で食べた。






Fのファンだと言われると、すごく嬉しい。

碧が好きだと言われると、舞い上がる。

でも……

恥ずかしいんだ。

碧は完全な演技だから。

碧についての話を自ら進んで出来るのは、Fのメンバーと……唯ちゃんだけだ。






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