続・危険なアイツと同居生活
「モスキートって何?」
北野さんが俺に聞く。
「馬鹿の遊びです」
俺は笑う。
『モスキート』は極秘事項だから。
決して外部に漏らせない、Fの秘密だから。
俺は、中山を元気付けるために、そんな極秘映像を見せてしまった。
俺は中山に向き直る。
「他にもあるよ。
『ハゲ』とか『トイレ』とか『お前はもう、死んでいる』とか」
「いりません!!」
中山は顔を真っ赤にして去っていった。
頭から湯気でも吹きそうな勢いで。
俺はそんな中山を見て笑っていた。
笑いながら、少し複雑な気分だった。
いくら落胆されても、仕方がない。
それがFだから。
ステージ上のクールなFがいるのは、馬鹿が出来る仲間がいるから。
俺たちも日々、楽しんでいる。