続・危険なアイツと同居生活
「ひっさしぶりだねぇ~、こういうライブハウス!」
はしゃぐ俺たち。
「やべぇ。俺らの原点だな!
やる気出る」
そんな俺たちの横で、あからさまに嫌な顔をする優弥。
赤いゴキブリのTシャツを着て、しかめっ面で煙草をくわえる。
すると、
「ここ、禁煙なんだけど」
別のグループの、金髪の兄ちゃんが優弥に睨みを効かせる。
「悪ぃ……」
優弥はそう言って火を消した。
それで終わればいいのに。
なのに金髪は優弥に突っかかる。
「お前ら、煩くて邪魔。
今日は大半が俺たちの客だから、お前らの出番はねぇよ」
自慢げにそう言って鼻で笑った。
「……そうか」
優弥はただ低くつぶやく。
「迷惑なんだよな。
時々来る、お前らみたいなふざけたグループ。
ま、俺たち『キング』の前座だな」