続・危険なアイツと同居生活
「おや、サム。
喋りたくてうずうずしてるかい?」
蒼が慎吾に聞く。
すると、
「ザキ、今日はザキの無駄話に付き合ってる余裕はない。
時間ないよ!
早く自己紹介しなよこのトイレ野郎!!」
「うわーん、ひどぉい!」
この、おちゃらけたやり取りに笑いが起こる。
何だか安心して、そして楽しくて。
あたしも大笑いしていた。
「じゃ、仕方ないから自己紹介。
まずは……
ドラム、イッチー」
蒼の紹介に、激しくドラムを打ち鳴らす賢一。
それは、まるでFのライブのよう。
会場から悲鳴が上がった。
だが……
「やめてよ、うるさい!」
慎吾の言葉にしゅんとなる賢一。
鼻眼鏡を放り投げ、瞬時に新たな鼻眼鏡をかけた。
放り投げられた鼻眼鏡は中山さんのほうに飛び、中山さんが嬉しそうにそれをキャッチする。
周りから悲鳴が起こった。