続・危険なアイツと同居生活
「ベース、サム」
慎吾が激しくベースを弾く。
だが、顔はふざけていて。
白目をして、舌を出して飛び跳ねていた。
「サム、キモイ!」
賢一が大声で叫ぶ。
「うるさいうんこ野郎!」
「うんこ野郎はてめぇだろ!」
再び会場が爆笑の渦に巻き込まれた。
「そして、リーダーゆうちゃん」
「ちっ……」
舌打ちをして、狂ったように早弾きをする優弥さん。
その指遣いに見とれてしまう。
だけど……
その音が破壊的だった。
どれだけカッコいい演奏をしても、ふざけた音色がギャグに変えてしまう。
「ね、ゆうちゃんかっこいいよね」
蒼は笑いながら優弥さんの肩を叩いた。
優弥さんは例に漏れず、嫌そうな顔をする。
それがまた楽しい。
「そして俺の名はザキ。
あるゲームの死の呪文。
覚えた?
俺は?」
「ザキ!!」
会場が一斉に叫ぶ。
「そう!
『お前はもう、死んでいる』」