続・危険なアイツと同居生活
この日一日、北野さんに馬鹿にされた。
中山は怒りのあまり、その後口を聞いてくれなかった。
そして、仕事も手につかなかった。
ある案件を北野さんに相談したが、
「無理無理。
俺の頭の中、ふとももフェチでいっぱいだから」
なんて本気で相談に乗ってくれなかった。
そんなこともあり、定時退社をすることにした俺。
だけど、定時退社には別の理由もある。
「戸崎。
それはお人好しって言うんだよ?」
北野さんが笑っている。
「迷惑なら断ればいいのに」
「いや……
あんなに目を輝かせて、色々語り合いたいって言われると……」
そうなのだ。
今日は、土曜日のライブでブッキングしたグループ、キングのカズと飲みにいくのだ。
もちろん俺はザキとして。
普通にしていたら、碧だとは絶対バレない。
俺はそう思っていた。