続・危険なアイツと同居生活





「マジっすか?」




ようやく中山が会話に加わる。

何だかホッとする俺。

中山が話しかけてこないと、調子が狂うよ。




だけど中山は何だか目を輝かせていて。





「キングのカズと!?

戸崎さん、いいなぁ!」




その言葉に、




「キングってそんなに有名なの?」




思わずそう聞いていた。





中山はため息を吐き、馬鹿にしたように俺を見る。

そして、いつもの憎まれ口をたたいた。





「戸崎さん、キングを知らないなんてまだまだですね!

ライブ好きの中で、キングを知らない人はいませんよ?

あの演奏、あの迫力、もう半端ないです。

もうすぐメジャーデビューしますよ!」



「そうなんだ……」





中山、よく知ってるなぁ。

本当にライブが好きなんだな。




感心した。

だけど、少しちくりとした。

中山、もしかしてFよりも……




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